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デザイン、レイアウトの基本となるゲシュタルト心理学
デザインやレイアウトを組むにあたって覚えておきたい理論のひとつに「ゲシュタルト心理学」があります。
これは名刺やポスター、ウェブサイトなどすべての平面構成における共通の理論であり、そこに書かれた情報をより見やすく&捉えやすくするために欠かせない要素です。
ここでは、プロデザイナーが知っておくべき「ゲシュタルト心理学」の基本的な考え方と、その中心概念である「プレグナンツの法則」についてご紹介します。
平面構成における「ゲシュタルト心理学」
ゲシュタルト心理学とは、20世紀初頭にドイツの心理学者たちによって提唱された理論です。
“ゲシュタルト”には「意味のあるひとつのまとまった全体像」という意味があります。「人間の心理は、各々の部分や要素を見るのではなく“まとまりのある全体像”として捉える必要がある」とするのが基本的な考え方です。
音楽でいうと、私たちは音符を一つ一つ抜き出して認識するのではなく、それらがまとまった全体像=音楽として認識していますね。これが“ゲシュタルト的な捉え方”なのです。この理論を平面構成に応用して考えてみましょう。私たちは何かモノを見る時、個々のパーツを認識するより先に、まず“全体像”を把握します。
つまり、名刺やチラシ、ポスターなどを見る際も、まず全体像を把握した後に、文字や図形の色や形といった小さな要素を認識しているのです。
私たちが無意識に利用する「プレグナンツの法則」とは?
シュタルト心理学の創始者のひとりであるマックス・ヴェルトハイマーが提唱した「プレグナンツ(簡潔さ)の法則」をご存知でしょうか? ゲシュタルト心理学の中心概念とされているこの法則は、私たちの目に入った図形が、単純な形や秩序ある形にまとまろうとする傾向を指しています。
そこにはない情報を無意識に補完する“捉え方のクセ”のようなものと考えても良いでしょう。
近接
近くにあるもの同士を、ひとまとまりのグループとして認識する傾向です。以下の図形を見た場合、離れている「 □ 」は同じグループとして認識しづらくなります。
□□□ □□ □□□ □□ □□
類同
複数の刺激があると、同じ種類のものをひとまとまりのグループとして認識する傾向です。以下の図形を見た場合、私たちは「●●」と「○○」のグループの繰り返しとして捉えます。「●○」や「○●」のグループが並んでいるように認識することは難しいですね。
●●○○●●○○●●○○●●○○
閉合
「」や<>など、互いに閉じ合っていることが分かる形同士(閉じた領域)、または輪郭線で囲まれた領域を、ひとまとまりのグループとして認識する傾向です。以下の図形を見た場合、「 」が同じグループとして認識され、 」「 は別のグループとして認識されます。
「 」「 」「 」「 」「 」
連続
滑らかな曲線が連続していると、ひとまとまりのグループとして認識する傾向です。たとえば、2つの円が重なっている図形を見た場合、私たちは「半円が2つとラグビーボールの図形」とは認識せず、円が2つあると認識します。
「ゲシュタルト心理学」と、その中心概念である「プレグナンツの法則」。これらを踏まえ、見る人にやさしいデザインやレイアウトに挑戦してみましょう。
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